【イベントレポート】(後編)ミイダスCMO 越智様 「受注率の高い新規顧客獲得を実現するマーケティング戦略とは?」
弊社のクライアントであり、直近テレビCMやタクシー広告など、マーケティング施策を積極的に展開されているミイダスのCMOを務める越智様にご登壇いただいたウェビナーレポート(後編)です。
カスタマージャーニーやシナリオ設計についてお話しいただいた前編に続き、後編では、
4. マーケティング施策の考え方
5. ブランドエクイティの重要性
6. ウェビナー施策の目的と実績
についてお話ししていただきます。
4. マーケティング施策の考え方
それでは、ここから先は、実際にどういうアウトプットをしているかを見にていきたいと思います。重要視しているマーケティング施策についてご説明していただいてもよろしいでしょうか?」
越智氏
「これはマーケ予算にもよるのですが、聞いたことある、最近よく見る、比較検討したい、のどこに効く施策なのか意識しながら施策を打つことですね。筋トレと一緒ですね。そしてお金がない場合は、購入に近いところから改善していく。上からやるとどうしても歩留まりしてしまうので、下からしっかりとやっていくことが大事かなと思います。」
大熊
「大事にしているポイント1のCPAについて、マーケティングを行なっているとCPAに囚われがちだと思うのですが、これはどういうことですか?」
越智氏
「当然CPAは大事ですが、デジタルで有効な広告は1%もないので、99%以上は捨てられています。世の中に看板はたくさんあると思いますが、それが99%の捨てられている広告の役割でもあるんです。インプとして出ているので、実はそこに注力するだけでも聞いたことあるよ、最近よく見るなの層にインパクトを出せます。
あとはファネル間の連続性も、担当が分かれているので見失いがちです。そして、想起性、差別性、意義性を全施策の中でバランスよく実現するか。最後にこれが一番大事ですが、営業との連携です。営業の皆さんにいかに理解をしていただいて、最大限活用していただくかですね。」
大熊
「ここで視聴者さんから質問をいただいております。過去の施策の中で一番即効性のあるチャネルは何だったでしょうか?」
越智氏
「やはりデジタル広告ですね。だからこそ皆さんCPAに囚われてしまうのですが、それは悪いことでもなくて、即効性という意味ではデジタル広告は良いですね。あとは数を取りたいのか質を上げたいのかにもよりますが、ウェビナーなんかも質を上げるにはいいと思いますね。」
大熊
「私もこの業界15年ぐらいいるんですが、CPAが高騰しているので、認知のための広告は大事になってきますよね。」
越智氏
「本当にそうですね。捨てている広告という意識を持つだけでもだいぶ違うと思いますよ。」
大熊
「結果的に指名検索に繋がったり、営業するときに名前を知っていてくれたりするってことですよね。
5. ブランドエクイティの重要性
ここからもう少し具体で見ていきたいのですが、ブランドエクイティについてご説明いただけますか?」
越智氏
「デジタルの世界で生きていると忘れがちなのが、長期的にマーケティングやブランドってどう生きてくるのかという視点なんですよね。短期的に売り上げを立てたい一方で、長期的に記憶に残していく、認知してもらうのに必要な考え方が想起性・意義性・差別性になります。
想起性はブランドがぱっと思い浮かぶかですね。意義性というのはその人のニーズにぴったり合うかどうかですね。差別性はブランドに違いを感じるか。ホームページでは差別性を重視してしまう傾向があるので、この3つをいかにバランスをとっていくかですね。
例えば、たくさん売りたい日用品については想起性と意義性に価値があります。逆に高いものを少量売る場合は意義性と差別性が重要です。どの業界で戦うかによってどんなバランスでやるのが効果的か変わってくるので、この考え方を身につけることが大事です。」
大熊
「まさに我々もウェビナーのご支援をさせていただく際に注意しているのがこの想起性・意義性・差別性でして。今だと消費者から見ると差別性がわかりにくかったりするので、想起性や意義性が大事だと思っていて、タッチポイントを増やすという目的でもこのブランドエクイティをしっかりと考える必要はあるかなと思います。
ここでもう一つ質問をいただいていて、新規事業なので認知のための広告を打てるフェーズではないのですが、事業成長のためにどのタイミングで打った方が良いのでしょうか?とのことです。」
越智氏
「基本的には先ほど言ったファネルの下から固めることが重要です。たくさんの流入があっても下に穴がある状態でCMはやってはダメです。二つ目としては、調査によってどのコンサプトを強くするとビジネスが伸びていくか調べる手法があるんですね。それを元にどの機能の認知をあげればいいか分かった段階で広告を踏んでいきます。」
大熊
「私たちFanGrowthも新規事業ですが広告はほぼ打っていなくて、既存のお客様でしっかり成果を出して、何が刺さるのかが見えた段階で一気にNを取りに行くということを考えていますね。
6. ウェビナー施策の目的と実績
ここまで、聞いたことあるよから最近よく見るなあの施策を色々とお聞きしたのですが、ここからは最近よく見るなあから比較検討したいのフェーズについてですが、まさにここで一緒にウェビナーを取り組んでいるので、ウェビナーの立ち位置と期待する効果についてご説明いただけますか?」
越智氏
「まずですね、ミイダスのブランドイメージの向上です。ミイダスはまだまだ認知も取れていないですが、質の高さも取れていないです。特に専門性や権威性、信頼性を取りに行くのが一つ目の目的ですね。2つ目が他社様との協業セミナーによって、自社だけではリーチできていない人への認知を拡大していくこと。3つ目がしっかりと時間をとってミイダスの説明をすることで、ちゃんと内容を理解していただく。意義性と差別性を事例セミナーを通じて強化していくということですね。4つ目としては、アンケートなどのフィードバックを通じて、コミュニケーション戦略や戦術の改善のための機会として活用しています。」
大熊
「ありがとうございます。では、ここからさらに深堀りさせていただいて、テレビCMの狙いと受注までの流れをご説明いただきたいなと思います。
まだ見たことのない方もいらっしゃると思うので、ぜひ皆さんにも見ていただきたいと思います。」
(ミイダス様CM:https://www.youtube.com/watch?v=YQmYcvgJsEc)
正直今っぽくないなという感想で、かなり情緒的なCMをお作りになったなと思ったので、その狙いをお聞かせいただきたいなと思います。」
越智氏
「ありがとうございます。競合がより大きな予算を投じてテレビCMを打たれているので、いかに1回あたりの効果を出せるか、長期的にどうやって記憶に残していくのかが非常に大事になります。
記憶は感情と一緒に見たり聞いたりすることで長期記憶に変わっていきます。そしてそれを人に話したくなるような内容にできるか、最終的にブランドイメージが表現できるか、これらが非常に重要なポイントですね。」
大熊
「これテレビCMのプロデュースも越智さんがやられているんですよね。それがまたすごいなと思いました。また、改めてスライドにも内容をまとめていただいているのでこちらもご教示いただけますか?」
越智氏
「はい、ありがとうございます。我々の目的としてはコンピテンシー診断という難しい内容を理解してもらうということがありました。この時にですね、ターゲットを大きくふたつに分けました。一つが都市のリテラシーが高い企業群、もう一つが地方企業や中小企業などのマジョリティですね。前者の大企業の方々はちょっと見たら内容を分かってくれるので、30秒のCMでしっかり内容を伝え、後者へはシステム1という直感的に物事を判断する部分に働きかけるエモい動画を意識しました。
この使い分けをすることで、結果として、大企業の方々からは助成想起や推奨者の数字が上がりました。一方、中小企業ではその辺りの数字は横ばいでした。つまり、具体的なサービス内容を理解してもらったわけではないということです。ただ好感度が非常に上がり、なんか良さそうだという認知を取れました。」
大熊
「テレビCMの効果として、短期的な数値の向上も上がったんですか?」
越智氏
「そうですね。1ヶ月の数字を見ていたのですが、架電からのアポ率や検討に上がってからの受注率は大きく改善しました。お盆がある8月は営業日数が少ないんですが、過去最高の売り上げを達成することができました。」
大熊
「ミイダスさんとして、そもそもテレビCMを打とうと思った結果は何だったんですか?」
越智氏
「一番は調査の結果、テレビCMを打つのが効果的であるというのが分かったからですね。サービスの特性として、企業規模によっても単価がそこまで大きくは変わらなかったんですね。そのため数を取る必要がありました。中小企業も含めて広くアプローチすることが営業マンでは難しかったので、テレビCMを打つことで一気に地方まで届けていくような戦略を取りました。
大熊
「なるほど。ちょうどテレビCMの企画を考えられているときに私たちがウェビナーのご支援に入らせていただいたので、テレビCMの受け皿としてもウェビナーを開催しました。また、ミイダスさんでは商材ウェビナー、事例ウェビナー、共催ウェビナーの3つにセグメントを分けて実施していると思うのですが、実際成果には繋がっていますか?」
越智氏
「成果として感じています。営業マンが商談するときは、限られた時間の中で説明するのは難しく、表面的な良さしか伝えきれてなかったと思うんですね。ただ、ミイダスって採用以外の使い方など多様な機能を持っているんです。ここでウェビナーが一役買っていると思います。ウェビナーに参加いただいた方ほどミイダスについて理解していただいて、それだけできることがあるなら安いよね、と感じてもらっています。そういうお客さんの方が単価も高いので、この辺りでとても価値を感じています。」
大熊
「まず弊社としてもタクシー広告、テレビCMの時期だったので、その受け皿としてもウェビナーを活用していきましょうと提案させていただいました。当然マス施策の後はアクセス数は伸びるものの、薄めのお客さんも増えるかなと思っていたので、その受け皿から始めることにしていきました。
また、少し広めのテーマでの共催ウェビナーを通じたフレッシュリードの獲得だったり、ミイダスの理解度を深めてもらうためにクライアントであるシェアフルさんにご登壇いただく事例ウェビナーも重要施策として開催しました。あとはウェビナー企画によって反応も違うので、どういう企画が今のお客様に刺さるのかというところも一緒に考えさせていただいています。
僕すごく嬉しかったのが、営業さんを挟まずに受注までいけたという事例でした。」
越智氏
「そうですね。よくあるのが、マーケ側でナーチャリングしても営業側と話すポイントが違ったり、サポートして欲しいポイントが違ったりして、結局いいリードとは認識されないということでした。
マーケとして、最終的に自分たちで受注できない施策はしてはいけないので、営業の素人であるマーケ組織だけでも受注でる施策になって初めて良い施策だと思っていて、そこまで繋がるのかを見ていました。」
大熊
「なるほど。当然売上に結びつかないマーケはするべきではないですが、パイプラインの完結までやられていたのは印象的でした。
最後に一つご質問をいただいておりまして、サービス開始から2年半でまだまだファネルの下の部分が固まっていません。ファネルの下を固めるために重要なポイントはありますでしょうか?というご質問です。」
越智氏
「僕自身はこうやったら勝てるというパターンはないと思っています。こうやったらうまくいくと言っている人は若干怖いなと感じるんですが、それは相手の状況が変わったり、CPAが高騰したり、同じことをしても勝てないことは多いからですね。
だからこそ、小さくお金をかけずに施策を回すのが重要だと思います。小さな施策を行う中で芽が出そうなものを見つけて、そこに投資をしていく。これが失敗の少ないやり方だと思います。僕もミイダスに入ってから細かな施策を沢山行っています。その中で芽の出そうなものに大きな投資をしてきました。」
大熊
「チャネル数や施策数は最初マーケでは大事ですよね。ありがとうございます。
最後に、今ご一緒させていただいているFanGrowthについてご紹介させていただきたいと思います。今まさにおっしゃられていたマーケの施策数ですね、これウェビナーも同じだと思っていて、できれば1か月に6回〜7回やると成果が出ると言われています。
ただ、それだけのことをやろうとすると、工数が半端なくかかってきてしまうので、僕らがやりたいのは、FanGrowthというプロダクトでなるべく簡単にウェビナーの施策管理ができて、マーケのスキルがそこまでない組織であったとしても成果の出るウェビナーの回数を上げられるようにしていきたいと思います。
機能としては、施策管理の機能とコミュニティの機能を持っています。
まずコミュニティの機能というのが何かというと、最近共催ウェビナーがフレッシュリード獲得に効果的なのですが、人脈がないので開催できないというお声をいただいていました。そこで、今250社ほどの企業様に集まっていただき、共催先を探せるようになっています。実はこのコミュニティは無料で使えるものになります。もし共催ウェビナーを積極的にやっていきたい会社さんがいれば、ぜひコミュニティだけでもご利用いただければなと思います。
施策管理機能については、新しくウェビナーを企画する際に、開催日から逆算していつまでに何のタスクをする必要があるかの施策一覧が出るようになっています。これは地味なんですが相当業務生産性が上がるのでおすすめです。」
越智氏
「これめちゃくちゃいいですよね。」
大熊
「ありがとうございます。カレンダー上に表示されるので、マーケターの方が今日何をする必要があるのか一眼でわかるようになっているんですよね。
あとはウェビナーの成果も集計ができるようになっているので、どのウェビナーがどれくらい成果があったか見ていただけます。元々はこの辺りスプレッドシートで行っていたのですが、それを全て管理、自動化できるものになっています。」
ここで追加の質問をいただきまして、ウェビナーSaaSにコンサルを入れようとしたのは何故なのでしょうか?とのことですが、
皆様のお悩みから考えると、どういう企画を作ればいいか考え続けるのが大変だったり、当日のウェビナーはどういう流れにするのが良いのか、ウェビナー後の参加者の追い方なども含めてご支援させていただくことが成果を出すために重要だと思ったんですね。
もし少しでも興味を感じてくださった方は、より詳しくどうやってウェビナーで成果を出すのか、ウェビナーでも話していますので、ぜひイベントページもご覧ください。
あっという間に1時間が経ってしまいましたが(笑)、私自身非常に勉強になりました。越智さんありがとうございました。」
越智氏
「とんでもないです。本当に僕らもFanGrowth使わしてもらっていて、ものすごくためになって成果が出たので、ぜひ検討してみてください。」
大熊
「それでは本日ご視聴いただいた皆様もありがとうございました!」
越智氏
「ありがとうございました!」
※企業名・役職・数値情報等は放送当時のものです。