受注効率を追い求める、企画の作り方
第6部では「受注効率を追い求める、企画の作り方」というウェビナーテーマで、株式会社シューマツワーカー 取締役 COO 星 耀介 氏とミイダス株式会社 マーケティング部 松尾 基 氏が、リード獲得のためのターゲティングや共催セミナーの実施、クライアントの登壇や社内サービス説明について話しました。また、ウェビナーの企画について、狭めのターゲットに対する訴求や効率化の重要性などについても語られています。
(ファシリテーター:エキサイト株式会社 執行役員 大熊 勇樹)
対象者
- ウェビナーの視聴者の注意を引きつける方法について課題を持っている人
- ウェビナーの企画作りに困っている人
- ウェビナーの視聴者が価値を感じる内容について知りたい人
- 自社のウェビナーの商談会議の成果を上げたい人
- マーケティングの自動化に興味がある人
どういう施策を行ったかマーケティング施策の全体感
大熊:最後のセッションはですね、人材関係を取り扱っていらっしゃる2社にいろいろとお伺いしていければと思っております。
早速、本題に入っていきたいと思っているんですけれども、まず今日、今回のセッションのテーマが受注どう出すというところがメインテーマになってくるかなと思っているので、事例のご紹介という形ではないんですけれども、それぞれ各社様で今ウェビナーの成果ってどんな感じで出ているかというところからお話しいただけるといいかなと思っております。
では、まずどんな施策をやられているかとか、施策の全体感どんな感じかみたいなところをご紹介いただければと思っておりますので、松尾さんからご紹介いただいてもよろしいでしょうか。
松尾 氏:全体像でいうと認知の部分でテレビCM、交通広告、デジタル広告、あとは他社さんとの共催ウェビナーとか、あとは検討のところで共催ウェビナーだったりとか、あとはホワイトペーパーとかメルマガ等の施策を行っているような形でございます。
コンバージョンでいうと、自社商材のウェビナー、事例サイト、あとはレビューの施策だったりとかもやってます。
またミイダスは定額性のシステムになるので、導入いただいた企業様がしっかりとミイダスをご活用いただけるように使い方の動画とか、また新しいコンテンツの追加みたいなところもいろいろと試作を打っているというような現状でございます。
星 氏:ウェビナーの立ち位置でいくと、基本的には有効な商談を獲得していきたいというところになっています。
今やっているマーケティング施策の一部をここに書いているんですけれども、いくつか施策を回している中で、ウェブセミナーというところを直近取り組み始めたというところになっております。
ただ商談を獲得するだけではなく結構幅広い目的で使えるかなとは思ってまして、認知、比較、検討のフェーズで使っていくなど目的に合わせて内容を変えたりとかっていうところもやっているという感じになっています。
マーケ施策の中でのウェビナーでの立ち位置と成果
松尾 氏:立ち位置というか考えているイメージといった所なんですが、基本的にウェビナー施策ってBtoBマーケティングの施策として非常にコスパがいいなというふうに思っています。
人的リソースのコスパで言えば、つい半年前ぐらいまでは実は私1人と登壇者1人の合計2名でやってて、資料とか企画も全部私がやってたんですけど、かなり少ない工数で回せるかなと思いますし、何よりも一度作成したコンテンツを資料やウェビナーレポートとしても活用できたり、記事としても活用できたりするので、無駄にならないんですね。
例えばアーカイブを録画していれば、アーカイブを再生してリード獲得につなげることもできますし。
あと予算のコスパみたいなところでいくと、費用を抑えつつ質の高いリードを獲得できるのはすごくメリットかなと思っています。
実際の成果としては、左の上が他のリードとの平均商談率との比較なんですけれども、数字は結構バグってるぐらいあるんですけど、要は共催ウェビナーから生まれた商談は、他のリードと比べて約4倍ぐらい、自社ウェビナーに関しては15倍ぐらい上がってたりとかしてます。
実際にエキサイトさんからいただいた平均商談率と比較しても、1.6倍とか3倍とかの数値になってるので、リードからしっかりと商談につなげることはできていますし、そこからの受注みたいなところも、うちのインサイドセールスの他の商談からの受注率と比べたら約2倍ぐらい数値としては高い形ですね。
ウェビナーの運営体制
大熊:おそらく今苦労されている方って、意外とウェビナーやってそのままになってしまったケースってあるのかなというふうに思っているので、まずここを改めてどういう体制で、どういうところを受注までのポイントとして企画を作っているのかっていうお話を伺っていきたいと思っています。
ざくっとご紹介いただいたんですが、松尾さん、まずミイダスさんの体制からお願いしてもいいでしょうか。
松尾 氏:はい、もう本当にざくっとだと思うんですけど、今登壇した1人が登壇をしておりまして、担当としては2人。私が共催先の選定とか企画の設計とか資料作成までやっていて、もう1人担当いただいている方がLPの作成とメディアの作成をやっているんですけれども、先ほどお伝えした通り半年前くらいまではこれ全部1人でやってましたし、あと2人とも今他のプロジェクトもいろいろと回しているので、その合間に色々とやっているというような形です。セールスに関してはそこからセールスチームにつなげるイメージですね。
大熊:シューマツワーカーさんからもご紹介をお願いしてもいいでしょうか。
星 氏:体制としてはマーケティンググループ主導で2名程度で回していたというところになってます。
私も企画を実施して、あとLP作ったりとかプレスリリース配信したり資料の準備したりというところを自分ともう1名のマーケティング担当でもしていたというところになってます。
それ以降のリードのアプローチの部分はインサイドセールスのチームが別にありますので、ウェビナー担当みたいな形で1名担当をおいてアプローチまでやっているというところですね。
ボリュームを増やしたい、ウェビナーの回数を増やしたいという風になるとどうしても自分のキャパも含めて限界が出てくるというところで直近はある程度型化したものであったりとかを使って業務委託のメンバーに任せたり若手のメンバーに任せたりとかそういったところを取り組んでいるという感じですね。
大熊:ありがとうございます。両者ともにウェビナー成功されていらっしゃると思うんですけれども、ミイダスさんだったりシューマツワーカーさんだとマーケ人数多いんじゃないの?と思って聞いていただいている方もいらっしゃるかなと思うんですが実態としてそんなことはないということが1個ポイントなのかなと思っています。
また、松尾さん、星さんのお話で共通しているのはやっぱりキャパっていう言葉が出ていらっしゃるなと思っているのでいかに仕組み化できるか、さらに業務委託メンバーとか若手社員でも回せる仕組みを作っていくっていうのがすごく大きなポイントになられるのかなと思いました。
ウェビナーで受注を追うための企画設計
大熊 :今日一番の山場、実用ための企画設計の考え方っていうところで両者がどういう企画を作ってるかっていうのをまずシューマツワーカーさんからご紹介いただきたいなと思います。
星 氏:ファネルを意識した企画作りっていうところで書かせてもらっておりますが主には左側のリード獲得を目的としているものと右側の商談化クロージングを目的としているもの二軸に分かれてくるかなというふうに思っています。
左のリード獲得目的としてはきちんとターゲットをターゲティングした上でリードのボリュームを出しに行きたいというところで複数社と共催ウェビナーをやるというところですね。
右側に関しては割とクローズドな参加者10名規模で弊社のクライアントさんに登壇いただくウェビナー、あとは社内で完結できるサービス説明に振ったウェビナーの二軸で企画をしているような感じですね。
大熊:ありがとうございます。それぞれのポイントを教えていただきたいと思います。
星 氏:はい。共催先に関しては各社の利害が一致しないといけないというところで共通のターゲットを持つサービスを運営する企業の選定が重要かなと思ってますし、ここで失敗するとなかなかリードが集まらなかったりもするかなと思ってます。
結構自社でここの共催先を見つけるというところは難易度が高く、継続しない部分もある中で特にFanGrowthさんを利用させていただいていてここのマッチングとかアサインというところはかなり助けてもらっている部分だったりします。
大熊:ありがとうございます。この問い合わせ商談会のところ、このポイントはどうでしょうか。
星 氏:そうですね。ボリュームを意識せずに割と狭められたターゲットに対していかに訴求するかというところで企画をしてます。
例えば左下のものであればエンジニアさんをアサインした事例とかクライアントさんにいい登壇をいただいたりしてまして、これはエンジニアの採用に困っている企業さん向けのものですね。
大熊:ありがとうございます。あとぜひミイダスさんも受注につなげるヒントをお願いできればと思っています。
松尾 氏:ありがとうございます。僕も電話してたんでわかるんですけど、印象に残らないとセールスが電話した時に何のウェビナーでしたっけって結構言われることが多いんですよね。
そうなったら結局ゼロからの普通の営業と変わらないんで、ウェビナーから受注に紐づきにくいっていうのがありますと。
だいたいウェビナー視聴者の65%くらいの人が他の業務をしながらの「ながら見」をしているっていう現状にありますと。
ただその65%の人たちをいかにアテンションを取ってちゃんとウェビナーに印象付けるかみたいなところの企画のところでちょっとお話をできればなというふうに思ってます。
結論から言うとどんな企画が視聴者が価値を感じるかみたいなところなんですけどTOP3はTips・成功事例、業界トレンド・市場情報、あとはやり方みたいなところですね。
言われてみれば当たり前に感じる部分だとは思うんですけれども、自社セミナーになればなるほど自社の内容が多くなってしまうというのもあるのでぜひ皆さんこちらもご参考いただければなという風に思ってました。
ただ我々が大事にしてたのがこういったTipsが自社のサービスにつながらないとそこからセールスにつながらないので、僕らは完全に社内用語でこういうTipsだったりとかを視聴者のWOWって言ってるんですけど、まず1個目のステップとしてはTipsだったりを企画の中に組み込んでいきましょうというのが1つ目のWOW、もう1つがその企画自体が弊社のサービスを使えばもっと成果を簡単に上げれるよというところがもう1つのWOWなんですね。
例えばミイダスが実際にやっているウェビナーの中身なんですけど課題としてエンゲージメントの課題を抱えてらっしゃる企業様で、特に部下との信頼関係を十分に築けてないよねというインサイトがある企業さんとかですね。実際に弊社が調べたデータとしてもTipsとして、実は上司が自分の弱みを部下に見せるだけでエンゲージメントとか生産性向上というのはすごく簡単にできるよという話があります。
ただぶっちゃけそれをやるにあたって約4割ぐらいの人が上司が部下に弱みを見せることで意見とかがなくなるんじゃないかみたいなので結構抵抗感を感じるという企業様が多いと。
じゃあ次のWOW、ミイダスの場合は例えば適正検査で言いにくい弱みだったりとかをちゃんと可視化したりあとは適正検査から生成される自分のことを紹介してくれるラップみたいな機能もあるので、これを活用して面白くラフに自分の強みとか弱みを見せることができるようになってちゃんと視聴者のWOWが視聴者にとって利益かベネフィットにつながるのかというところを企画の中身として必ず入れるようにしてます。
そのことによって印象をついてセールスが架電したときに商談・受注にもつながりやすいみたいな成果にもつながっていくのかなという風に思っています。
登壇者プロフィール
株式会社シューマツワーカー 取締役 COO 星 耀介
2013年4月に新卒で株式会社ボルテージに入社。スマートフォンゲームのディレクター、マーケティング、広報を経験。2016年に代表の松村と会社を設立し、副業人材のマッチングサービス「シューマツワーカー」の立ち上げからグロースに携わる。2021年5月より業務委託人材管理SaaS「フリーランスフォース」の新規事業の立ち上げにも従事。
ミイダス株式会社 マーケティング部 松尾 基
新卒で、株式会社パーソルキャリアに入社。地方にて、求人広告「doda」の営業に2年半携わった後、ミイダスへ入社。現在はミイダスのマーケティング部にて法人向けの施策を実施。営業時代に感じた中小企業の課題感とミイダスの知見を活かして「活躍できる人材を採用できる手法」などの題材でセミナーを開催。
エキサイト株式会社 執行役員 大熊 勇樹
デザイン会社、ベンチャー企業にて主に新規事業部門での役員経験を経て、2021年4月エキサイトに入社し、執行役員就任。入社後にSaaS/DX事業部を立ち上げ、2年で4プロダクトリリースを行う。事業責任者を兼務している【FanGrowth(ファングロース)】では、現在リリース1年で750社のマーケターコミュニティを構築し、組織拡大をしている。
イベント概要
日時:2023年11月29日 (水) 10時00分~14時30分
タイトル:顧客の心を掴む、ウェビナーのチカラ。Webiner Marketing Conference 2023 Autumn 最短で成果を出した10社が語るウェビナー成功事例
内容:
- 第1部:累計50社の支援実績 ウェビナーの第一人者が語る「勝利の方程式」
- 第2部:ベンチャー企業におけるウェビナー施策垂直立ち上げの鉄板戦略
- 第3部:1年間注力して分かった、ウェビナーで圧倒的な新規リードを獲得する手法
- 第4部:カスタマージャーニーから考える、顕在顧客と関係性を育み続ける企画の考え方
- 第5部:上場企業が取り組む事業成長のトリガーとしてのウェビナー施策
- 第6部:受注効率を追い求める、企画の作り方