ウェビナー

ウェビナーとは?今すぐ知っておきたいウェビナーの基礎知識

目次

近年、テレワークの普及に伴いウェビナーを開催する企業が増加しています。一方で「ウェビナーにはどんなメリットがあるの?」「開催に必要な準備は?」「どのツールを使えばいいんだろう」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。


ウェビナーの効果的な活用法がわからなかったり、ツール選定に苦労したりして、ウェビナー開催に不安を感じる方も多いかと思います。本記事では、ウェビナーの概要や開催のメリット、ウェビナーツール選定のポイントなどを紹介します。


ウェビナーとは?

ウェビナーとは「Web」と「Seminar」をかけ合わせた造語で、オンライン上で行われるセミナーを指します。会場を使用し来場者を集めて開催する従来のセミナーと違い、オンライン上で開催されるためユーザーはどこにいても参加可能なのが特徴です。


総務省の調査によると2022年時点でテレワーク導入企業は50%を越えており、それに伴いウェビナーを開催する企業も増えていると考えられます。また、インターネット環境が整備され、個人でもストレスなく動画配信や視聴が可能になったのも、ウェビナー開催企業が増えている理由の1つです。


熱量が伝わりやすくコミュニケーションも取りやすいリアルタイム配信型だけでなく、配信トラブルが起こりにくく事前に編集も行える録画配信型もあり、用途にあった使い分けができるのも特徴です。


参照:総務省|令和5年版 情報通信白書|テレワーク・オンライン会議


ウェビナーと来場型セミナーの違い

「来場型セミナー」と「ウェビナー」の大きな違いは、開催コストと参加者のハードルの高さです。来場型セミナーは、貸し会議室やイベントホールなどで行うセミナーのことで、従来のセミナー形式を指します。来場型セミナーの場合、会場の確保から設営、資料・アンケートの印刷、撤収作業など、開催前から開催後にかけて多くの準備が必要です。


一方、ウェビナーはオンラインで開催するため、参加人数に合わせて会場を押さえる必要がなく、スタッフ手配や開場の設営なども必要最低限で済みます。参加者も、日程を合わせて現地に足を運ばなければならなかった来場型セミナーとは異なり、どこからでも参加が可能です。また、カメラやマイクをオフにして参加できることから、心理的なハードルも低いといえます。


ウェビナー開催の3つの目的と適したウェビナーの種類

ウェビナーを開催する目的は、主に以下の3つです。

  • 認知拡大や信頼の獲得

  • 既存顧客のフォロー

  • リード獲得・案件創出


ここではウェビナーを行う3つの目的と、それぞれに適したウェビナーの種類を解説します。


認知拡大や信頼の獲得

ウェビナーでは、来場型セミナーでは獲得できなかった層も含め、幅広い層への情報発信が可能です。顕在層だけでなく、潜在層も含めた大勢に向けた認知拡大に活用できるでしょう。認知や信頼の獲得を目的としたウェビナーには、トレンドを取り入れたテーマでの開催や、共催ウェビナーなどが適しています。


認知拡大を目的としたマーケティング施策として、ウェビナー以外に、広告も考えられます。下記の「ウェビナー施策シミュレーションシート」を活用して、広告施策のみを行った場合と、ウェビナー施策を行った場合の年間売上期待値を調べられるため、ぜひ活用してみてください。



既存顧客のフォロー

既存顧客への定期的なフォローにもウェビナーは有効です。自社製品の勉強会のウェビナーを開くことで、顧客が抱えている課題を理解でき、適したフォローを行え、顧客満足度の向上やアップセルにつながります。他には自社事例紹介、新機能説明会などのウェビナーも適しているでしょう。


リード獲得・案件創出

ウェビナーでは顕在層から潜在層までさまざまなリードを獲得できます。潜在層には、ノウハウ紹介や業界別の悩みをテーマにしたウェビナーが適しています。参加者自身も気づいていなかった課題が明確になり、アポ獲得につながりやすいのが特徴です。


課題がすでに明確になっている顕在層には自社製品説明や自社事例紹介のウェビナーが適しています。質疑応答を交えたウェビナーで、自社製品のメリットを訴求し、導入のイメージを持ってもらうことが大切です。


ウェビナー開催時の5つのメリット

ウェビナー開催には、多くのメリットがあります。ウェビナー開催によるメリットを知り、自社の施策にぜひ活用してみてください。


集客が行いやすい

従来の来場型セミナーと違い、オンライン開催であるウェビナーでは全国各地、ひいては全世界へ向けて配信でき、参加者を集めやすいのが大きな特徴です。集客方法はメールやSNS、ポータルサイトへの掲載、web広告、DMなどさまざまです。

露出効果が高く、商材認知を広げやすい

ウェビナーは、広報の仕方やウェビナー形式、テーマを工夫することで、大きな認知を得ることができます。例えばSNSやメルマガでの告知は、当日参加してもらえなかった場合も、拡散効果により多くのユーザーへと認知を広めることが可能です。


また、10~20社ほどの企業が登壇する大型カンファレンスや共催セミナーなどを開催し、その広報を行うことで、自社だけでは獲得できなかった層からの認知獲得も可能でしょう。同テーマでのウェビナーをシリーズ化して複数回開催すれば、「〇〇といえば〇〇社」という印象付けも行えます。


潜在層から顕在層までアプローチできる

来場型セミナーの参加者は顕在層に偏りやすい特徴があります。理由として、会場まで出向く参加者は、参加できる環境にあるというだけでなく、熱量が高い傾向があるからです。


その点、ウェビナーは手軽に参加できることから参加のハードルが大きく下がり、かつ実施するテーマや形式によって幅広いターゲット層へのアプローチが可能です。今までは獲得できなかった層へもアプローチができ、新規リードの獲得に繋がりやすいといえます。


低コストで開催できる

ウェビナーは基本的にオンライン上で完結するため、低コストでの開催が可能です。来場型セミナーのように大きな会場がなくても開催できるため、会場のレンタル費用や配置するスタッフ、準備にかかる時間など、さまざまなコストを抑えることができます。会場のキャパシティに制限もないため、低コストで多くのリードを獲得できる点は大きなメリットです。


1ユーザーに対し複数回のタッチポイントを構築できる

さまざまな切り口からのウェビナー開催によって、1ユーザーに対して複数回のタッチポイントを構築できます。複数回のタッチポイントを通じて、商談までにファン化状態を構築しておくことで、案件獲得につなげやすくなるでしょう。


既存顧客に対しても複数のタッチポイントで定期的なフォローを行うことで、信頼の構築やアップセルにつなげられます。さらに、ウェビナーのホワイトペーパー化や、イベントレポート作成、アーカイブ配信などの二次利用によって、ユーザーとのタッチポイントを格段に増やせるのもウェビナーの強みです。


ウェビナー開催時の3つの注意点

ウェビナー開催には大きなメリットがあるものの、注意点を押さえておかなければ、失敗に終わる可能性もあります。開催当日のトラブルを防ぐためにも、注意点を事前に把握し、ぜひ対策に役立ててください。


目的・ターゲットを明確にする

ウェビナーの企画段階で、誰に向けてどんなことを伝えたいのかをしっかり決めておくことが重要です。目的・ターゲットが定まっていなければ、効果的な媒体やキーワードが分からず、集客が非常に困難となります。


また、開催前にKPIを決めておくことで、振り返りを行う際にも課題点が見つかりやすいため、KPIの設定も大切です。KPIとは目標達成のために重要な業績評価の指標で、ウェビナー開催時に設定するKPIは申込率、参加率、案件化率、アンケートによる満足度調査などがあります。


リハーサルを行う

ウェビナーを行う際は、必ず事前にリハーサルを行いましょう。ネット環境や配信ツール、カメラや音声機材など、さまざまな要素が絡むウェビナーではトラブルが付き物です。トラブル以外にも、一度通しでリハーサルを行うことで、より内容が伝わりやすい画面切替のタイミングやテロップの追加など、改善点が見つかることもあるため欠かせない工程です。


参加者へのフォロー体制を整える

ウェビナー開催前後のフォロー体制はしっかり整えておきましょう。ウェビナーは、開催して終わりではなく、参加者へアンケートを取ったり、お礼の電話によるフォローを行ったりすることで、フィードバックを貰うことができます。得られたフィードバックは次回のウェビナーに活かすことで、満足度やリード獲得率の向上へ繋げることが可能です。フォロー機能が豊富なウェビナーツールもあるので、そのようなツールの活用もおすすめします。


ウェビナーツールの選定のポイント

ウェビナーを開催する際には、ツールの選定が重要です。自社に合っていないツールを選んでしまうと、ウェビナー開催の効果が得られない場合もあります。

ここで紹介するツール選定のポイントを参考に、自社に適したツールを選びましょう。


料金が予算内である

ウェビナーツールは無料のものから有料のものまで数多く存在します。そのため、予算や用途に合わせて選定することが重要です。ウェビナーの開催には、ツール以外にもマイクやカメラ、音響機材などの必要な機材にも費用がかかります。そのため、全体での予算を考えてベストなツールを選定しましょう。


また、ウェビナーツールには月額固定制と従量課金制があるため、自社の開催頻度にあわせて選定することもポイントです。


必要なツールやサポートが整っている

ウェビナーツールの中には、配信重視のものだけでなく、マーケティング機能や分析機能が充実したツール、他サービスとの連携が可能なツールなど、さまざまなサービスがあります。ウェビナー開催の目的に合わせて、必要な機能を選びましょう。


開催にあたって不安点がある方は、専門スタッフによる配信支援のあるツールや、無料サポート窓口があるツールを選ぶこともおすすめです。


参加可能人数が自社の開催規模にあっている

自社の開催規模に適しているかも重要なポイントです。最大参加可能人数が多ければ多いほど良いわけではありません。小人数セミナーに適したツール、大規模セミナーに強いツールなどさまざまなサービスが存在するので、資料請求や問い合わせを行い、開催予定の規模に適したものを選びましょう。


大規模ウェビナーや、複数の国からの参加が見込まれる場合は、安定した配信環境を構築できるツールやリアルタイム翻訳機能があるツールなどもおすすめです。


ウェビナー開催におすすめのツール

ここでは代表的なウェビナーツールを紹介します。自社に適したツールを探す際にぜひ活用してください。


無料ツール

MicrosoftTeams

ExcelやPowerPointを画面共有、共同編集できるのが強みです。画面共有の切り替えもスムーズに行えます。

YouTubeLive

無料ツールながら参加人数無制限、アーカイブ無制限なのが強みです。また、アナリティクスを使用して簡単な分析も行えます。

Zoom

参加人数100名まで、ミーティングあたり40分までという制限はありますが、無料でウェビナー開催が可能です。ホワイトボード機能やクリップ機能もあります。


有料ツール

Fangrowth

ウェビナー開催に必要なタスクを一元管理し、生成AIを使用したウェビナー企画やイベントレポートの作成などにより工数の削減が可能なツールです。また、相性の良い共催先とのマッチング機能もあり、人脈に頼らない集客が可能。伴走型コンサルティングによる企画から実行までのサポートも強みです。

WebexWebinars

米国の大手ベンダーが提供する、最大参加者10万人のツールです。100以上の言語へのリアルタイム翻訳が可能で、グローバルな発信に向いています。

ZIKU

メタバース空間で実際の展示会のようにイベントを開催できるプラットフォームです。参加者がただ聞くだけのウェビナーではなく、メタバース空間でのコミュニケーションが強みです。

必要な機材チェックリスト

クオリティの高いウェビナーを開催したい場合は、パソコン以外にもマイクやカメラなどの機材の準備が必要です。必要な機材のチェックリストをご紹介しますのでぜひご活用ください。


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パソコン

配信を行うだけであれば高いスペックを必要としませんが、録画の編集や資料の投影を行う場合はcorei7相当のCPUと16GB以上のメモリがあると良いでしょう。

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安定したネット環境

ネット回線は有線での接続がおすすめです。リハーサルを行い、配信時にトラブルが起きないか確認しましょう。

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マイク

ストレスのない配信を行うためにも、外部マイクを用意するのがおすすめです。製品を触って説明したり、身振り手振りを用いて話す場合はピンマイクが使いやすいでしょう。

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オーディオインターフェース

オーディオインターフェースとは、マイクで取り込んだ音声を少ない劣化でパソコンに送るために変換を行ってくれる機材です。より高音質な配信を行いたい場合に使用します。

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カメラ

パソコン内蔵カメラは撮影できる角度が狭く、登壇者が見切れてしまうことや、画質がも悪いことが多いため、複数人が登壇したり実物の商品を紹介するウェビナーの場合は外部カメラを使用しましょう。

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三脚

ウェビナー中にカメラを使用する場合は三脚の準備も必要です。カメラを固定できれば十分ですので、最低限のもので問題ありません。

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スイッチャー

画面を切り替える際に使用します。複数人が登壇するウェビナーでは特に必要です。また、画面切り替えにフィードなどのエフェクトを追加したり、ピクチャーインピクチャー機能で画面の隅に小さな画面を写したりすることも可能です。

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照明

すでに明るい会場でもさらに登壇者へスポットライトを当てることでより良い印象を与えることができます。照明は、色温度や明るさを調節できるものがおすすめです。

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配信ツール

自社のウェビナー開催頻度や規模に合わせて適切な配信ツールを選びましょう。本記事でも紹介したように無料のものから有料のものまでさまざまです。


まとめ

ウェビナーは、時間や場所の制約がなく、多くの人へ情報発信ができる現代のビジネスに欠かせない存在です。認知拡大やリード獲得、顧客とのコミュニケーションの場として可能性が広がっており、さらに発展していくと考えられます。


ウェビナーは参加のハードルが低く、コストを抑えつつ幅広い層にアプローチできる点が大きなメリットです。また、複数のタッチポイントを構築し、顧客フォローやリード獲得、認知拡大に活用できます。開催の際には予算や必要な機能、サポート体制を考慮して自社に適したサービスや機材を選びましょう。


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