共催ウェビナーとは?メリット・デメリット、共催先の見つけ方を解説
共催ウェビナーとは、2社以上の企業が共同で主催するウェビナーのことです。
自社単独でのウェビナー開催と比較して、新規リード獲得や商談化率向上、ブランド構築など多くのメリットがあります。しかし、リソースやコンテンツ企画の難しさなどデメリットも存在します。本記事では、共催ウェビナーのメリット・デメリット、共催ウェビナー開催の流れ、共催先探しのポイントについて解説します。共催ウェビナーを検討している企業はぜひ参考にしてください。
共催ウェビナーとは
共催ウェビナーとは、複数の企業が共同して開催するオンラインウェビナーです。各企業が持つノウハウや事例を共有することで、より充実した内容のウェビナーを提供することができるためリードナーチャリングに繋がります。
また、共催先の複数の企業がリードを持ち寄るため、自社がリーチできていないリードも獲得することができます。共催ウェビナーにはメリットが多いですが、ターゲット選定、目的設定、共催先探し、企画内容の調整、集客、リハーサル、開催、振り返りといった複数のステップを踏む必要があります。そのため、すべての工程を理解した上で人的リソースをあらかじめ準備することをおすすめします。
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共催ウェビナーのメリット
共催ウェビナーのメリットは以下の3つです。
新規リードを獲得できる
ユーザーの幅広い課題を解決できる
ブランド認知度の向上につながる
新規リードを獲得できる
共催ウェビナーは、単独でウェビナーを開催するよりも、共催先が複数集客を行うため、集客効果が高く、新規リードを獲得するための効果的な方法です。また、共催先と協力することで集客効果が高まるだけでなく、共催先の顧客リストを活用できるため、自社だけではリーチできない顧客層にアプローチできます。
新規リードを獲得するためには、共催先と協力して、ターゲット層に合った魅力的なコンテンツを作成することが重要です。
ユーザーの幅広い課題を解決できる
共催ウェビナーは、一度に複数社のノウハウや事例をユーザーに提供できるため、ユーザーの幅広い課題を解決できます。例えば、Webサイトのコンバージョン数を増加させるテーマで、「流入増加によるコンバージョン数増加」と「Webサイトの導線改善」を実施するとします。その場合、コンバージョン数を増やす上で、Webサイトの流入数が課題だったユーザーと導線が課題だったユーザーの両方の課題を解決することができます。
このように、一つの課題に対して各社のアプローチ方法を伝えることで、ユーザーの幅広い課題を解決することができます。
ブランド認知度の向上につながる
共催ウェビナーは、自社だけではできないような幅広い層へのリーチができるため、ブランド認知度の向上にも効果的です。また、共催により、より専門性が高く価値のあるコンテンツを提供することができます。
ユーザーに有益な情報を提供することで、自社の専門性や信頼性をアピールし、ブランド価値の向上につなげることができます。共催ウェビナーは、単に集客を目的とするだけでなく、ブランディング戦略としても有効です。共催企業との相乗効果で、自社のブランディングを強化しましょう。
共催ウェビナーのデメリット
共催ウェビナーのデメリットは以下の2つです。
- 人的リソースがかかる
共催先の選定や許諾を取るのが難しい
人的リソースがかかる
共催ウェビナーは多くの利点があるものの、人的リソースがかかるというデメリットもあります。共催ウェビナーを企画・運営するには、多くの時間と労力が必要です。
特に、企画段階での実施スケジュールの計画、テーマの選定、登壇資料のフォーマット、獲得リードの分配方法などの調整に費やすコミュニケーション量が多くなります。
共催先とのコミュニケーションをなるべく減らすには、企画時点でウェビナーのターゲットやテーマを具体的に決めておくとよいでしょう。
共催先の選定や許諾を取るのが難しい
適切な共催先を見つけることは非常に重要です。ただし、自社と同じく、ウェビナーのテーマに興味を持つターゲット層にリーチできる企業を見つけ出すのは簡単ではありません。なおかつ、商材が被り過ぎていると共催を断られるため、ターゲットは同じでも、商材の提供価値が異なる企業を選定しましょう。
また、自社のウェビナーへの集客力も非常に重要です。共催先にとって、新規リードの獲得を目的とする場合が多いため、共催先を選定する際は、集客力によって可否を決める企業が多いです。
共催ウェビナーのやり方(準備編)
共催ウェビナーを実施するうえで、共催ウェビナーを何回実施するべきか、何社と組むべきかなど決める必要があるため、あらかじめリードの必要数を出しておきましょう。
リードの必要数を出して、そこから逆算してKPIに落とし込んでいきます。
また、共催ウェビナーで獲得したいターゲットを決めておくと共催先の選定がスムーズになります。
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KPIを決める
上述の通り、まずは必要な月間のリード数を出しておきましょう。月間の必要数を出したら以下の考えで必要な共催ウェビナーの回数を設定していきます。
例>月間必要なリード数÷(1社の想定集客数×共催社数)=必要な共催ウェビナーの回数
算出する際の注意点としては、現実的に共催ウェビナーを開催することができる回数に留めておきましょう。後述しますが共催ウェビナーは、共催先と調整などタスクが非常に多いため、月に5,6回組んで実施することは人的リソース的にかなり難易度は高いです。
今の人的リソースを鑑みて無理の無い、開催数に設定しましょう。
ターゲットを決める
ターゲットを決めることで、以下のようなメリットがあります。
コンテンツの質向上: ターゲットのニーズや課題を理解することで、より効果的なウェビナーを企画することができます。
集客の効率化: ターゲットに合わせた情報発信を行うことで、より効果的な集客を行うことができます。
適切な共催先を見つける: ターゲットを決めることで、同じターゲットを狙う企業を選定しやすくなります。
ターゲットを決めるためには、以下の4つの視点から決めていくとよいでしょう。
業界
職種
事業規模
役職レイヤー
課題
共催ウェビナーのやり方(共催先探し編)
事前準備が済んだら、実際に共催先を選定して共催の依頼をしましょう。
共催先の選定から、依頼方法、共催先との打ち合わせの流れで説明していきます。
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共催先を選定する
共催ウェビナーの共催先の選定は非常に重要です。共催先を選定するには、以下の項目で調査するとよいでしょう。
ターゲットとシナジーがある | 商材のターゲットや単価、リードタイムが近い。競合の場合はポジショニングが異なる商材であること。 |
自社と同等の集客力 | 共催は相互集客のため、お互いの集客力が同じ規模間の会社を選定する |
ブランディング力がある | ネームバリューのある会社やブランド力のある会社と共催することで、自社のブランディングやPRにも繋がる |
良質なコンテンツを持っている | 視聴者が満足するような良質なコンテンツを提供することでファン化に繋がり、コンテンツの二次利用もしやすくなる。共催先の登壇者が登壇慣れしているとなお良い |
また、候補企業がいくつか出てきた際はスコアリングをつけて優先度をつけていきましょう。優先度の高い企業から依頼をかけていきます。
スコアリングは①ターゲットの親和性、②ハウスリストの数、③集客数にわけて下図のように点数の割り振りをして総合値として高い企業を出すことをおすすめします。
共催先にアプローチする
共催ウェビナーの企画を進める上で、重要なステップとなるのが共催先へのアプローチです。アプローチ手法としては、DMや投げ込みが一般的ですが、その場合、コネクトせず断られる可能性が高くなります。
そのため、コネクションを利用して接触する方が成功率は高くなります。また、共催先を見つける共催ウェビナーマッチングサービスを利用すれば、共催先を探している企業が登録しているため、条件が合えば許諾をいただける可能性が高いです。
また、DMで依頼をする際はターゲットやテーマなど具体的に示して依頼すると承諾されやすいです。以下依頼するときのサンプルになりますのでご参考にください。
件名:【運営より】共催ウェビナーのご相談
いつもFanGrowthを活用いただきありがとうございます!
FanGrowthの宮内と申します。
(※共催候補とFanGrowthのやり取りを調べて、枕詞をつける)
この度、貴社に御登壇のお願いをしたいイベントがございましたのでご連絡を差し上げました。
以下イベント情報になります。
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【イベント情報】
◆ 主催企業:株式会社XXX
◆ 想定しているテーマ:「XXX」
◆ 形式: XXX
◆ XXX様にお話いただきたいテーマ:「XXX」
◆ メインターゲット
L 業界:XXX
L 規模感:XXX
L 職種:XXX
L 役職:XXX
L 課題:XXX
◆ 開催時期:XXX
◆ 登壇企業数:XXX
◆ 想定集客数:XXX
◆ 共催企業候補:XXX etc(全体構成を鑑みて調整予定)
====================
こちらもしご興味ございましたら、他共催先企業様との調整後、お引き合わせできればと存じますが、いかがでしょうか?
お手隙にてご確認いただけますと幸いです。
もし、共催の可能性がございましたら実際に実現可能か、お打ち合わせにてお話ができればと思っております。
何卒、よろしくお願いいたします。
共催先と打合せをする
共催先と打合せをする際には、以下の4つを確認しましょう。
どのような商材を扱っているか(事業理解)
どのぐらい集客可能か(KPI達成)
過去にどのようなウェビナーを実施したか(企画イメージ)
ターゲットが合っているかどうか
双方の意見をすり合わせ、綿密に企画内容を詰めることで、より効果的な共催ウェビナーを開催することができます。
お打ち合わせ当日のアジェンダとしては以下のように進めるとスムーズにお打ち合わせが完了します。
自己紹介・企画説明 | 自社・共催先の企業様のサービスをお互いに紹介します。 企画書を共有し、趣旨を説明します。 |
ターゲットのすり合わせ | どのようなターゲットを対象にしたウェビナーを行うか、共通点を探ります。 |
全体テーマの決定 | 自社・共催先の企業様がお互いに話しやすい全体テーマを、キーワードベースで決定します。 |
全体構成のすり合わせ | ウェビナー全体の構成を決定します。各パートのテーマについても大まかな方向性を決めます。 (4社以上共催の場合は)各パートに登壇される企業様の組み合わせを決定します。 |
開催日時の決定、集客目標とスケジュールの共有 | ウェビナーの開催日時と集客目標値を決定します。 開催日から逆算して、LP公開などのタスクスケジュールも併せて決めていきます。 |
お打ち合わせ後は以下のような、タスクが発生しますのでそちらを考慮して共催とのスケジュールも作成していきましょう。
登壇者様素材の回収(〆切:キックオフMTGから2週間後)
写真
肩書き+氏名
プロフィール文章(200字程度)
ロゴ
OGPの作成(〆切:キックオフMTGから1カ月後)
LPの作成・公開(公開目安:開催日の1~2カ月前)
集客(集客開始目安:開催日の3週間~1カ月前)
資料の作成(〆切:開催日の1週間前)
共催ウェビナーのやり方(集客・実施編)
共催ウェビナーの準備が整ったら、以下のような集客を開始しましょう。基本的には、お互いの保有しているリストへのメルマガが主な集客方法となりますが、集客数を担保したい場合や自社が所有しているリストが少ない場合は、メルマガ以外の集客方法も実施することをおすすめします。
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メルマガ
自社の保有しているハウスリストにメールを打って集客する方法です。
配信するタイミングとしては、最低限ウェビナー開始の2週間前、1週間前、前日or当日の3回は配信しましょう。また、開封されやすい、始業時や昼休憩時間などを狙って配信するのもポイントです。
イベントのリード獲得支援をされているPeatixさんによると、前日と当日に一番集客数が伸びて来るというデータもありますので、最後の追い込み施策を用意しておくことが重要です。
参考:これからのBtoBイベントのあり方~ターゲットに選ばれるイベントをどう作るのか?【Peatixと語る】
インサイドセールスのアウトバウンドコール
集客したい企業をリストアップして、電話でアプローチする集客方法です。架電数を担保することが前提条件となりますが、電話口で興味付けができるため、当日の参加率も高まります。
SNSでの拡散
Facebook、X(旧Twitter)、LinkedInなどのアカウントから告知して集客します。こちらは、アカウントのフォロワー数によってアプローチできる数も変わってくるため、社内でフォロワーが多いアカウントを持っている社員がいる場合、有効な手段となります。
また、LinkedInではイベントページを作成して繋がりのあるアカウントに招待を送り集客することも可能です。
広告から集客する
SNS広告やメール広告など、費用をかけて集客する方法です。大型の共催を自社で主催している場合や、目標の集客数まで達していない場合は、費用をかけて広告から集客する場合もあります。
共催先とリハーサルをする
共催ウェビナーを開催する際には、共催先とのリハーサルが不可欠です。当日のファシリテーション、時間配分、資料の投影やウェビナー配信ツールの接続テストなどを事前に行っておくと、当日スムーズに実施することができます。
ただし、共催先がウェビナーに慣れている場合は、当日の実施30分前などに簡単に接続テスト、音響のテストを行う程度でも問題ありません。共催先のウェビナー熟練度に合わせてリハーサル日を決めておきましょう。
共催ウェビナーを開催する
告知している日時通りにウェビナーを開催します。ウェビナー当日は、登壇者と運用担当者2名が参加して実施すると円滑に進めることができます。
運用担当者はウェビナー内で、紹介しているサービスのURLやアンケートURLなどをチャット機能を利用して参加しているユーザーとコミュニケーションを取りましょう。そうすることで、ウェビナーが活性化し、満足度の向上にもつながります。
振り返りを行う
共催ウェビナーが終わったら、以下の項目の振り返りを行い、記録を残すことで次回「どの企業と組むと成果が出るか」、相性の良い企業がわかってきます。相性が良かった企業とは、定期的に共催ウェビナーを実施することで、継続的に成果を出すことができます。
集客数
ターゲット含有率
参加率
ターゲット参加率
満足度
アンケート回答率
商談化率
共催ウェビナーを行う際の注意点
集客数をコミットし、充分な準備期間を持って挑み、親和性がある企業を共催先として選ぶことで、より成功に近づける共催ウェビナーを開催することができます。
集客目標を下振れない
充分な準備期間を持って挑む
親和性がある企業を共催先として選ぶ
集客目標を下振れない
共催先と企画時に決めた、自社の集客目標は必ず達成するようにしましょう。共催先からの印象が良いと、次の企画にも呼んでもらえることが増えていき、自社で主催しない場合でもイベントに登壇する機会が増えていきます。
しかし、逆に目標を下振れて共催先からの信頼を失ってしまうと、次回共催を組んでもらえない可能性があり、共催を申し込んでも断られる場合もあるため、集客目標は必ず達成しましょう。
充分な準備期間を持って挑む
共催ウェビナーの準備期間は、内容や規模によって異なりますが、一般的には1ヶ月半〜2ヶ月程度は必要です。短い期間で準備を進めると、企画内容の詰めが甘くなったり、集客が間に合わなくなるなどの問題が発生する可能性が高まります。
親和性がある企業を共催先として選ぶ
共催ウェビナーでは、共催先の選択が成功の鍵を握ります。単に知名度や規模で選ぶのではなく、自社との親和性が高い企業を選ぶことが重要です。
親和性が高い企業とは、「ターゲット企業が同じ」、「取り扱い商材が自社サービスと相性が良い」といった特徴を持つ企業です。こうした企業を選ぶことで、共催ウェビナーの効果を最大限に引き出すことができます。共催先を選ぶ際は、これらのポイントを参考にし、自社にとって最適なパートナーを見つけましょう。
まとめ
共催ウェビナーには、新規リードの獲得やユーザー満足度の向上など、さまざまなメリットがあります。しかし、実施には人的リソースが必要となるため、企画や進行方法を事前に学んでおくことが重要です。リソースを削減するためにも、共催先を見つけるための共催ウェビナーマッチングサイトなどを積極的に活用することをお勧めします。