Zoomウェビナーのオンデマンド配信 メリットと手軽に始める設定方法
ウェビナーは今やビジネスにおける重要なマーケティング手段となっています。特にZoomを利用したウェビナーは、その機能の豊富さと使いやすさで多くの企業に採用されています。Zoomの「オンデマンド配信」は、参加者が自分のスケジュールに合わせて内容を視聴できる便利な機能です。オンデマンド配信は、手軽に設定できるので、技術的なハードルも低いのが魅力です。
本記事では、Zoomウェビナーでのオンデマンド配信の手軽な設定方法から活用法まで総合的に解説します。既にオンデマンド配信を活用しているがさらなる効果を望む方や、これから導入を考えている企業にとって、非常に参考になる内容となっています。
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オンデマンド配信の概要
ウェビナーの配信形式にはいくつかの選択肢がありますが、オンデマンド配信は、視聴者が自分の都合に合わせてコンテンツを視聴できるため、多く活用されています。特にBtoBマーケティングにおいては、ターゲットとなる視聴者層が広がり、効果的なリードジェネレーションやナーチャリングが可能です。
ここでは、オンデマンド配信の基本的な概念から、ライブ配信との違い、さらにはメリットとデメリットまで解説します。
オンデマンド配信とは
オンデマンド配信(VOD、Video On Demand)は、視聴者が自分の都合に合わせてウェビナーやビデオコンテンツを視聴できる形式です。この方式では、事前に録画されたビデオをインターネット上でストリーミングすることが一般的です。オンデマンド配信は、特定の時間にライブで視聴する必要がなく、視聴者が自由に選べる時間帯でコンテンツを楽しむことができます。
この形式は、視聴者が自分のペースで情報を消化できるため、獲得リードのナーチャリングや教育、内部研修など多様な用途で活用されています。特にBtoBマーケティングにおいては、ノウハウや自社商品の説明をしっかりと伝えるために有用です。理解に時間がかかる専門的な内容でも、繰り返し視聴することで視聴者は理解を深めることができます。
ライブ配信との違い
オンデマンド配信とライブ配信は、いずれもウェビナーの形式として広く用いられていますが、それぞれに独自の特長と利点があります。このセクションでは、これら二つの配信形式の主な違いと各々の特長を詳しく比較します。
まず、ライブ配信は、リアルタイムで行われる配信形式です。この形式では、視聴者は特定の日時にログインして、リアルタイムでのプレゼンテーションやディスカッションに参加します。一方、オンデマンド配信は、事前に録画されたコンテンツを任意の時間に視聴する形式となっています。
ライブ配信の最大の特長は、リアルタイムでのインタラクションが可能であることです。視聴者は、質疑応答やチャット機能を通じて、登壇者と直接コミュニケーションを取ることができます。FanGrowthでも基本的にはライブでウェビナーを開催しています。Q&Aで視聴者の疑問にすぐに答えたり、投票で話すテーマを決めたりすることで、ウェビナーの満足度を高めるのに非常に有用だと考えているからです。
一方で、オンデマンド配信は視聴者が自分の都合に合わせてコンテンツを視聴できるため、参加者のスケジュールに柔軟に対応できます。
また、コスト面でも違いがあります。ライブ配信は、リアルタイムでの配信が必要なため、高度な設備や専門のスタッフが必要な場合があります。オンデマンド配信は、事前に録画することで、よりコスト効率の良い運用が可能です。
コンテンツの永続性にも違いがあります。ライブ配信は一過性のイベントであり、後から視聴することは基本的にはできません(アーカイブを用意する場合を除く)。オンデマンド配信は、長期間にわたってコンテンツを提供できるため、時間が経っても価値を持続します。
オンデマンド配信のメリットとデメリット
ここでは、オンデマンド配信のメリットかデメリットまで、包括的に解説します。
オンデマンド配信のメリット
オンデマンド配信が企業や教育機関、さらには個人にも広く採用されている背景には、多くのメリットが存在します。このセクションでは、オンデマンド配信特有の利点を詳細に解説します。
- タイムシフト視聴可能
オンデマンド配信の最大の特長は、視聴者が自分の都合の良い時間にコンテンツを視聴できる点です。これにより、多忙なビジネスパーソンや異なるタイムゾーンにいる視聴者でも、コンテンツに容易にアクセスできます。 - リプレイ機能
複雑な内容や専門的なテーマについては、一度の視聴では理解しきれない場合も多いです。オンデマンド配信では何度でもリプレイが可能なため、理解を深めることができます。 - コスト効率
ライブ配信にはリアルタイムでの技術サポートや高度な設備が必要な場合がありますが、オンデマンド配信は事前に録画するため、そのようなコストを削減できます。 - コンテンツの永続性
ライブイベントは一過性ですが、オンデマンド配信は長期間にわたってコンテンツを提供できます。これにより、コンテンツが時間を経てもその価値を保ち、長期的なROI(投資対効果)が期待できます。 - 視聴者エンゲージメント
オンデマンド配信では、視聴者が自分のペースでコンテンツを消化できるため、より深いエンゲージメントが期待できます。
デメリットとその対処法
オンデマンド配信には多くのメリットがありますが、一方で注意すべきデメリットも存在します。
- リアルタイムのインタラクションがない
ライブ配信のような即時性がないため、視聴者とのリアルタイムなコミュニケーションが取れません。対処法として、コメント機能やフォーラムを設置して、視聴者同士のコミュニケーションを促すことが有効です。 - テクニカルな問題
録画や編集、アップロードには専門的なスキルが必要です。専門のスタッフを雇うか、簡単な操作で録画・編集ができるツールを使用すると良いでしょう。 - 視聴数の予測が難しい
ライブ配信と違い、視聴者がいつどれだけ視聴するか予測が難しい場合があります。視聴データをしっかりと分析し、ターゲットに合ったプロモーションを行うことが重要です。 - コンテンツの陳腐化
長期間にわたって同じコンテンツを提供すると、情報が古くなる可能性があります。定期的にコンテンツを更新するか、公開期限を設けて提供する方法があります。 - 視聴者が途中で飽きてしまう
コンテンツが長い場合、視聴者が途中で飽きてしまう可能性があります。対処法として、コンテンツを章立てする、または短いシリーズ形式で提供することで視聴者の関心を維持できます。
Zoomでのオンデマンド配信の設定方法
ここでは、主要なウェビナーツールであるZoomでのオンデマンド配信の設定方法について詳しく解説します。ログインからスケジューリング、録画設定、そして参加者管理まで、一連の流れを把握しましょう。
Zoomでの設定手順
Zoomでオンデマンド配信を行うための設定手順は、非常に直感的でありながらも多機能です。以下に、その主要なステップを詳細に解説します。
- Zoom Webポータルへのログイン
まず、ZoomのWebポータルにログインします。初めてZoomを使用する場合は、アカウントを作成する必要があります。 - ウェビナーのスケジュール
ダッシュボードに移動して、「ウェビナー」をクリックします。新しいウェビナーをスケジュールするか、既存のウェビナーを編集できます。 - オンデマンドオプションの有効化
「登録」セクションで、チェックボックスをオンにします。次に、「ウェビナー オプション」で「ウェビナーをオンデマンドにする」を選択します。 - 自動レコーディング設定
このオプションをオンにすると、ウェビナーが開始されると同時にクラウドレコーディングも始まります。 - ウェビナーの保存
新規ウェビナーの場合は「スケジュール」を、既存のウェビナーの場合は「保存」をクリックします。 - ウェビナーの共有
ウェビナーがスケジュールされた後、登録したユーザーには自動的に参加リンクが送信されます。また、ウェビナーが終了した後も、クラウドレコーディングのリンクが送信されます。 - レポートと分析
「レコーディング」ページから、ウェビナーの登録者と出席者のレポートを閲覧できます。 - その他の設定
「登録の設定」をクリックすると、さまざまなオンデマンド設定が開きます。ここで、登録者に対する通知設定やソーシャル共有ボタンの表示などを調整できます。
オンデマンド配信を効果的に活用する方法
マーケティング戦略でのリード獲得から、内部研修や教育まで、オンデマンド配信がどのようにビジネスに貢献できるのか、ここでは解説します。
マーケティング戦略での活用
オンデマンド配信は、マーケティング戦略において多角的な活用が可能です。以下に、その具体的な方法をいくつか解説します。
- リードジェネレーション
ウェビナーの内容を魅力的にパッケージングし、視聴者に事前登録を求めることで、高品質なリードを獲得できます。特に、業界のエキスパートが登壇するセミナーや、新製品のデモンストレーションなどは、ターゲット層の関心を引きます。 - コンテンツマーケティング
ウェビナーの録画をブログ記事やソーシャルメディアでシェアすることで、既存のコンテンツマーケティング戦略に組み込むことができます。これにより、SEO効果も期待できます。 - 顧客エンゲージメント
オンデマンド配信を活用することで、リアルタイムで参加できなかった顧客でも後からコンテンツを楽しむことができます。これにより、顧客とのエンゲージメントが深まります。 - アップセルとクロスセル
ウェビナー内で自社商品や関連サービスを紹介することで、既存の顧客に対してアップセルやクロスセルの機会を作り出すことができます。 - ブランド認知度の向上
高品質なウェビナーを一般に公開することで、ブランドの専門性と信頼性を高めることができます。 - データ収集と分析
ウェビナーの視聴者データは、マーケティング戦略の調整や新たなキャンペーンの設計に役立つ貴重な情報源です。視聴時間、参加者の地域、視聴デバイスなど、多角的なデータを収集できます。 - コミュニティ形成
定期的なオンデマンド配信を行うことで、固定のファンやコミュニティを形成し、そのエンゲージメントを高めることができます。 - パートナーシップの強化
他社との共催ウェビナーなどをオンデマンドで提供することで、相互の顧客基盤に露出し、パートナーシップを強化できます。
オンデマンド配信の柔軟性とアクセシビリティを活かすことで、より幅広い層にアプローチし、ビジネスの成長を促進することが可能です。
内部研修や教育での活用
社内教育や研修での利用にも多くのメリットがあります。
- 新入社員研修
新入社員が入社するタイミングはバラバラである場合が多いです。オンデマンド配信を活用することで、必要な研修内容をいつでもどこでも受けられるようになります。 - スキルアップ研修
特定のスキルや知識が必要なプロジェクトが急に発生した場合、関連する研修内容をすぐに提供できます。 - コンプライアンス教育
法令遵守や企業倫理に関する研修も、オンデマンドで行えば従業員が自分のペースで学べます。 - 多地域・多国籍対応
グローバルに展開している企業であれば、地域や時間帯を問わず研修を受けられるのは大きな利点です。 - 資料のアーカイブ
ウェビナー形式で行った研修は、後から資料としても活用できます。これにより、研修内容が随時更新されても、過去の資料を簡単に参照できます。 - インタラクティブな学習
オンデマンド配信でも、クイズやアンケートを挿入することで、受講者の理解度を確認しながら進められます。 - コスト削減
従来の対面研修に比べ、オンデマンド配信は場所や設備、講師の手配などのコストを大幅に削減できます。 - 専門家の登壇
オンデマンドであれば、業界の専門家がリアルタイムで参加できない場合でも、事前に録画しておくことでその知識と経験を活用できます。
よくある質問とその解決策
オンデマンド配信を始める前の不明点や懸念を解消するために、よくある質問と解決策をまとめました。
ウェビナーの開催費用はどのくらい?
オンデマンド配信を始める前に、多くの企業や個人が気になるのが、その費用です。ウェビナーの開催費用は、使用するプラットフォーム、目的、そして規模によって大きく異なります。以下に、主な費用要素とその範囲を詳しく説明します。
※ウェビナーの開催形式によっては発生しない費用も含まれます
- プラットフォームの料金
Zoomのようなウェビナープラットフォームは、基本プランからエンタープライズプランまで様々な料金設定があります。基本プランは無料で、エンタープライズプランでは月額数万円がかかる場合もあります。 - ホスティング費用
オンデマンド配信の動画を保存するためのクラウドストレージや専用サーバーの費用が必要です。これも月額数百円から数万円まで幅があります。 - 講師やゲストの報酬
専門家や業界リーダーをゲストスピーカーとして登壇してもらう場合、その報酬も考慮に入れる必要があります。 - プロモーション費用
ウェビナーを効果的にマーケティングするためには、SNS広告やメールマーケティングなどのプロモーション費用が発生します。 - 制作費
プレゼンテーション資料や動画編集、さらには専用の背景セットなど、品質を高めるための制作費も必要です。 - 時間コスト
ウェビナーの企画、準備、運営には時間がかかります。この時間コストも、費用として考慮する必要があります。 - 分析ツール
ウェビナーの効果測定には、専用の分析ツールが役立ちます。これにも費用がかかる場合があります。 - ライセンスと著作権
使用する音楽や映像素材には、ライセンス料が必要な場合があります。 - 通訳・翻訳費用
多言語での配信を考慮する場合、通訳や翻訳の費用も発生します。
▼開催費用についてさらに詳しく知りたい場合はこちらの記事をチェック!
アーカイブ動画の保存方法
オンデマンド配信の利点の一つは、ウェビナーが終了した後も、そのコンテンツを継続して活用できる点です。しかし、そのためには適切なアーカイブ動画の保存方法が必要です。以下に、その詳細を解説します。
- Zoom内での保存
Zoom自体には録画機能があり、ウェビナーを直接Zoomクラウドに保存することができます。この方法は設定が簡単で、特に追加の費用はかかりませんが、ストレージ容量に制限があります。 - ローカルストレージへの保存
自分のコンピュータや社内サーバーに動画を保存することも可能です。この場合、保存容量については自由ですが、データの管理とセキュリティが重要になります。 - 専用のクラウドストレージ
Google DriveやAWS S3など、専用のクラウドストレージサービスを利用することも一般的です。これらのサービスは高度なセキュリティ機能を提供していますが、費用がかかる場合もあります。 - 動画共有プラットフォーム
YouTubeやVimeoなどの動画共有プラットフォームにアップロードする方法もあります。これは特に一般に公開する場合に便利ですが、プライバシー設定や著作権に注意が必要です。 - バックアップの重要性
どの方法を選ぶにせよ、重要な動画データは必ずバックアップを取るようにしましょう。特にクラウドサービスを利用する場合、サービスが停止した際のリスクを考慮する必要があります。 - メタデータの管理
動画に関連するタイトル、説明、キーワードなどのメタデータもしっかりと管理することで、後から動画を簡単に検索できるようになります。 - 動画の更新とメンテナンス
情報が古くなった場合や、新しいデータが得られた場合は、動画を更新するか新しいバージョンを作成する必要があります。
Zoom設定の参考URL:Zoomサポートサイト