Zoomウェビナーの基本的な使い方入門 設定から成功させるポイントまで
コロナ禍以降、物理的に集まって開催するセミナーの代わりとしてウェビナー(オンラインセミナー)が浸透してきました。なかでも一般的なのが、「Zoom」を利用したウェビナーです。
本記事では、Zoomウェビナーの基本的な概念から、開催者や参加者それぞれの視点でのメリット・デメリット、実際の使い方や設定方法、さらにはウェビナーを成功させるためのポイントまでを詳しく解説します。オンラインイベントの開催を検討している方や、Zoomウェビナーの使い方をより深く理解したい方は、ぜひ参考にしてください。
ウェビナーとは?
あらためてウェビナーとは、インターネットを使用して、多くの参加者が同時にオンラインでセミナーや講演を受けることができる形式のイベントを指します。この名前は「Web」(ウェブ)と「Seminar」(セミナー)の組み合わせたものです。
最大の特長は、リアルタイムでのコミュニケーションが可能なことです。これにより、登壇者と参加者との間での質疑応答やディスカッションがスムーズに行われ、対面のセミナーと変わらない、あるいはそれ以上の効果を期待できます。
また、ウェビナーは録画して後から視聴することも可能なため、都合の良い時間に情報を取得することができるのも大きなメリットとなっています。
BtoBマーケティングの文脈では、ウェビナーは製品やサービスの紹介、顧客とのエンゲージメント強化など、さまざまな目的で利用されています。特に新しい製品のローンチやアップデート情報の発表、専門的なトピックに関する深い議論を行う場として、ウェビナーは非常に効果的です。成功させるためには、事前の計画、関心度に合わせた内容設計、参加者とのリアルタイムでのやり取りが重要になります。
Zoomウェビナーとミーティングの違い
Zoomのミーティングとウェビナーは、似ているようで目的と機能に明確な違いがあります。
ミーティングは、すべての参加者が画面を共有し、ビデオとオーディオをオンにして他の参加者が誰であるかを確認できる協同的なイベントになるように設計されています。これは、参加者全員がアクティブにコミュニケーションを取ることを目的としたもので、ビジネスミーティングやカジュアルなオンラインの集まりなど、少人数から中規模のグループでのコミュニケーションに適しています。
一方、ウェビナーは、ホストと指定されたパネリストがビデオ、オーディオ、画面を共有できるように設計されています。ウェビナーは、大規模なオンラインセミナーやプレゼンテーションを行う際に使用されることが多く、一方的な情報発信を主とする形式となっています。参加者は基本的に受け手としての役割を果たし、ホストやパネリストからの情報を受け取る形となります。
また、Zoomミーティングでは、参加者とホストがマイクやカメラ、画像を共有できるのに対し、Zoomウェビナーでは、視聴者がマイクやカメラをオンにすることは基本的にできません。これにより、ウェビナーは「1対多数」の配信に特化した機能を持っています。
Zoomウェビナー | Zoomミーティング | |
---|---|---|
目的 | 開催者からの情報発信 | 協同的なコミュニケーション |
参加者の役割 | 主に受け手としての役割 | アクティブなコミュニケーション |
画面共有 | ホストと指定パネリストのみ | すべての参加者が可能 |
ビデオ・オーディオのオン/オフ | 主にホストと指定パネリストのみ | すべての参加者が可能 |
適用シーン | 大規模なオンラインセミナー、プレゼン | ビジネスミーティング、カジュアルな集まり |
参加者のマイク・カメラ利用 | 基本的に不可 | 可能 |
特徴 | 「1対多数」の配信 | 「多対多」のコミュニケーション |
Zoomウェビナーの開催者側のメリットとデメリット
ここでは、Zoomウェビナーを開催する際の主なメリットとデメリットについて、詳しく解説していきます。
開催者側のメリット
Zoomウェビナーを開催する際には、開催者側に多くのメリットがあります。以下に、その主な利点や魅力を詳しく解説します。
- 大規模な人数でも参加可能
Zoomウェビナーは、数十人から数千人の参加者を収容することができます。オフラインと違って物理的なキャパシティを気にする必要がありません。 - 一方的な情報発信
ウェビナーは「1対多数」の配信を前提としているため、開催者側が計画的に情報を発信できます。これにより、混乱を避けつつ、スムーズなプレゼンテーションが可能となります。 - 高度なカスタマイズ
Zoomウェビナーでは、ブランディングやデザインのカスタマイズ、アンケートやQ&Aセッションの実施など、多彩な機能を利用して、オリジナルのウェビナーを開催できます。 - 視聴の心理的抵抗をなくす
参加者のマイクやカメラはオフのため、不要なノイズや混乱を防ぐことができます。また、参加者の情報を保護しつつ、安全なコミュニケーションを実現することができます。 - 収益化の機会
Zoomウェビナーの有料機能を利用することで、セミナーや講座を有料で提供し、ビジネスの収益化を図ることが可能です。 - アーカイブとしての保存
ウェビナーの内容を録画し、アーカイブ配信することで、参加できなかった人への情報提供や、アーカイブとしての活用が可能となります。 - グローバルなリーチ
物理的な場所に縛られることなく、世界中の参加者とコミュニケーションを取ることができます。これにより、国際的なセミナーやイベントの開催も容易となります。
▼アーカイブ配信についてもっと知りたい方はこちらの記事をチェック!
開催者側のデメリット
Zoomウェビナーの開催にはいくつかのデメリットや課題も存在します。
- 技術的なトラブル
オンラインでのイベントは、インターネットの接続不良やシステムの不具合など、技術的なトラブルが発生するリスクがあります。 - 操作の複雑さ
Zoomウェビナーには多くの機能が搭載されており、初めて使用する場合、操作が複雑に感じることがあるかもしれません。 - 参加者の反応が読み取りにくい
物理的な場所でのセミナーと異なり、参加者の反応や雰囲気を直接感じることが難しいため、コミュニケーションが片道通行になりがちです。対策としてウェビナー開催中に参加者からの質問を募るなど、一方的に話しっぱなしにならない工夫が必要です。 - 料金
大規模なウェビナーを開催する場合、Zoomの有料プランの利用が必要となため、どうしてもコストが発生します。
以上のデメリットを考慮しつつ、Zoomウェビナーの開催の準備を行いましょう。
Zoomウェビナーの参加者側のメリットとデメリット
参加者側にとってもZoomウェビナーの明確なメリットとデメリットが存在します。より効果的にウェビナーを活用するためにも、参加者目線で確認しておきましょう。
参加者側のメリット
- 場所の制約がない
オンライン開催は参加者にとっても重要なメリットです。自宅やオフィス、カフェなど、インターネット環境が整っていればどこからでも参加できます。 - 柔軟な時間の活用
ライブ配信だけでなく、録画されたウェビナーを後から視聴できるため、自分の都合に合わせて情報を取得できます。 - 質問やフィードバックの機会
Q&Aセッションやチャット機能を利用して、講師や他の参加者と気軽にコミュニケーションを取ることができます。疑問点の解消や、セミナー内容の深い理解につながります。 - 視覚的に理解しやすいコンテンツ
ウェビナーでは、スライドや動画、画面共有による実演など多彩なコンテンツが提供されるため、視覚的に理解しやすい内容になりやすいです。 - 安全な環境
物理的な場所でのセミナーと比べ、オンラインでのウェビナーは感染症のリスクなどの健康上の懸念が少ないため、安心して参加することができます。 - コストの節約
多くのウェビナーは無料で提供されているため、高額なセミナー費用を支払うことなく、専門的な知識や情報を得られます。
参加者側のデメリット
- 技術的な問題
参加者がZoomの操作に慣れていない場合、接続のトラブルや操作ミスなどで視聴できなくなる可能性があります。 - ネットワーク環境の依存
安定したインターネット環境が必要となるため、ネットワークの不安定な場所からの参加は、映像や音声の途切れなどの問題が生じる可能性があります。 - 物理的な交流の欠如
オンラインでのイベントは、参加者同士の直接的な交流が少なくなるため、人間関係の構築やネットワーキングが難しくなることが考えられます。対策としてFanGrowthではウェビナーの共催先を探せる無料コミュニティの参加者を迎えてユーザー会を開催しています。
▼過去に開催したユーザー会の様子をレポートにまとめました!
Zoomウェビナーの設定方法
ここでは、Zoomウェビナーを開始するための基本的な設定方法から、より専門的なカスタマイズ方法までを詳しく解説します。
基本的な設定方法
Zoomウェビナーを開始するためには、いくつかの基本的な設定が必要です。以下の手順で設定を確認していきましょう。
- Zoomアカウントの作成・ログイン
まだZoomのアカウントを持っていない場合は、Zoomの公式サイトにアクセスしてアカウントを作成します。すでにアカウントを持っている場合はログインしてください。 - ウェビナーのスケジュール設定
ダッシュボードから「ウェビナーのスケジュール」を選択し、ウェビナーの日時やタイトル、説明などの基本情報を入力します。 - 参加者の設定
ウェビナーの公開範囲を選択します。公開、非公開、招待制など、目的に応じて設定を行います。 - ビデオ・オーディオ設定
開催者と参加者のビデオ・オーディオのオン/オフ設定を行います。初期設定では、参加者のビデオ・オーディオはオフになっています。ウェビナーの場合、基本的には参加者設定はオフのままにしましょう。 - 登録設定
参加者がウェビナーに参加するための登録フォームの設定を行います。必要に応じて、名前やメールアドレスなどの情報を収集することができます。 - Q&A・チャット設定
ウェビナー中のQ&Aやチャットの利用を許可するかどうかの設定を行います。また、匿名での質問の許可や、質問の事前モデレーションなどの詳細設定も可能です。質問してもらいやすくするためにも、匿名での質問を許可しましょう。 - ブランディング設定
ウェビナーの登録ページや待機画面に表示されるロゴやバナーの設定を行います。企業や団体のブランディングを強化するための機能です。 - 録画設定
ウェビナーの内容を録画するかどうかの設定を行います。録画を行う場合、保存先や録画の公開範囲などの詳細設定も行います。 - ウェビナーの開始
すべての設定が完了したら、指定された日時に「ウェビナーを開始」ボタンをクリックして、ウェビナーを開始します。
以上がZoomウェビナーを開始するための基本的な設定方法です。
カスタマイズ方法
Zoomウェビナーの基本的な設定方法を理解したら、次はより専門的なカスタマイズを行いましょう。たとえば、ブランディングを強化したい、特定の参加者層をターゲットにしたい、といった要望に応じて、Zoomウェビナーの設定を最適化できます。
まず、APIとの連携を考えることができます。Zoomは、外部のシステムやツールとの連携が可能なAPIを提供しています。これにより、CRMやマーケティングオートメーションツールとの連携を実現し、参加者の情報を自動的に収集・管理することができます。FanGrowthではHubspotと連携しています。
また、ウェビナーの背景や名前タグのデザイン変更、テーマセクションのカラー変更などのカスタマイズも可能です。デフォルトのデザインだけでなく、自社のブランドカラーやロゴを取り入れることで、参加者にとって親しみやすいウェビナーを実現できます。
ビデオやスライドの中にインタラクティブな要素を取り入れる機能もあります。たとえば、クイズや投票を途中で挿入することで、参加者の関心を引きつけ、ウェビナーの内容をより深く理解してもらうことができます。
▼Zoomのブランディング機能でカスタマイズする方法はこちらの記事をチェック!
Zoomウェビナーの基本的な使い方と便利な機能
Zoomウェビナーをいざ開催した際、基本的な使い方を把握するだけでなく、便利な機能を活用することで、参加者の満足度をさらに高めましょう。特にBtoBマーケティングの観点から、プロフェッショナルな印象を与え、参加者とのエンゲージメントを高めるために、以下の操作手順と機能の紹介が重要です。
- 投票機能
ウェビナー中にアンケートを実施することで、参加者の意見やニーズをリアルタイムで把握できます。 - ブレイクアウトルーム
大人数のウェビナーでもいくつかの小グループに分けてディスカッションを実施できる機能です。参加者をランダムまたは手動で分割し、特定のテーマ性の議論を深めることができます。 - バーチャル背景
自宅やオフィスの背景をプロフェッショナルな画像に変更することで、よりフォーマルな印象を与えることが可能です。企業ロゴやブランドカラーを取り入れることもできます。 - 録画機能
ウェビナーの内容を録画し、後から参加者に提供することで、内容の再確認や共有が容易になります。録画設定では、ローカル保存かクラウド保存かを選択することができます。 - 参加者管理
参加者リストから個々のミュート操作や、参加者全員のミュート設定など、円滑な進行のための管理が行えます。特定の参加者に対して質問を促すなど、効果的なコミュニケーションのために活用できます。 - リアクション機能
参加者が「いいね」や「拍手」などのリアクションを送ることができる機能で、ウェビナーの活気を高める効果があります。
▼録画方法について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック
ウェビナーを成功させるためのポイントと注意点
ウェビナーはテーマを変えることでBtoBのマーケティングにおいて、リード獲得からクロージングまで幅広く行えます。しかし、ウェビナー施策を成功させるためには、ただ内容を伝えるだけでは不十分です。
ウェビナー成功のカギは、参加者とのコミュニケーションにあります。ウェビナー開催中に、参加者とのインタラクションを増やすことで参加者の関心を維持し、理解を深めることができます。
たとえば、Q&Aセッションを設ける、アンケートを取る、リアルタイムでのフィードバックを求めるなどの方法が考えられます。
ウェビナーの内容は、ターゲットとなる参加者のニーズや課題に合わせて設計することが重要です。「誰向けに」「何を伝え」「どうしたいか」を突き詰めましょう。
具体的な事例や成功事例を取り入れることで、参加した価値を高めることができます。
また、せっかく参加してもらっても、いつも同じ話をしていては参加してくれなくなってしまします。FanGrowthではパネルディスカッション形式を取り入れるなどして、「ここでしか聞けない話」になるようにしています。
ウェビナーの後も参加者とのコミュニケーションを継続することが大切です。ウェビナーのアーカイブ配信や、関連資料の提供、参加者からのフィードバックの収集などを通じて、次回のウェビナーの質を向上させることができます。
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